長期分散投資は本当に有効なのか
これまで投資の基本は長期・分散投資だと書いてきました。分散投資も細かく見ていくと、 投資資産の分散、投資対象国の分散、投資対象通貨の分散、購入タイミングの分散といろい とあるわけですが、こういった投資方法が本当に有効なのか検証していきたいと思います。
ネットでちょっと調べると多くのページで長期・分散投資の有効性について記載してあり ます。その中でも三菱 UFJ 信託銀行の HP がデータを用いてわかりやすく解説しているの で紹介したいと思います。
まず、資産分散、通貨分散の効果から
三菱UFJ信託銀行HPから
上記の通り、国内株式1つだけに1年間投資した場合、大きく勝つ年もあれば逆に大きく負 ける年もあることがわかります。データではもっともリターンが大きかった年で 59.69%で すが、一方でもっとも負けた年は 40.62%と非常に当たり外れが大きいことがわかります。 これを国内株式、国内債券、外国株式、外国債券に 25%ずつ均等に分散して投資した場合
三菱UFJ信託銀行HPから
上のようにまず、リターンの最大値、最小値とも小さくなっていることが割ります。これは、より安定的に運用できるようになったことを表しています。しかもよく見てみると、国内株 式だけに投資した場合、負けた年は全部で11回あったのに対して、4資産に均等分散した 場合、10回に減少していることもわかります。これは、日本株で負けてもほかの資産でそ の負けた分を穴埋めしてなおリターンを得られているということを表しています。
では、これをさらに長期に運用してみた場合はどうでしょう?1年、5年、10年間でそれ ぞれ比較してみます。
三菱UFJ信託銀行HPから
長期に投資すればするほどマイナスとなった期間は減少しかつ、マイナスとなった場合で もマイナス幅は小さくなっていることがわかります。そして10年間投資した場合、サンプ ルのどの期間をとってもすべてプラスで収益が出ていることもわかると思います。 このように長期投資することにより
1 収益の安定化
2 プラスのリターンが期待
できるこ ととなります。では、分散投資をして長期に積立投資をしておけば安心かといえば必ずしも そんなことはありません。
資産の組み合わせには“食い合わせの良い資産”というものがあります。先ほどの例でいえば、 わかりやすく国内株式、国内債券、外国株式、外国債券という組み合わせにしましたが、こ れをさらに効率よく組み合わせたいと考える人もいるでしょう。 そももそも複数の資産を組み合わせる目的は値動きの異なる資産を組み合わせることによ り全体として安定的に運用することを目的にしています。ということは、値動きの同じよう な資産を組み合わせても分散効果は得られにくいということになります。
値動きの異なる動きをする資産かどうかは相関係数を見ることにより知ることができます。 相関係数は +1 から –1 までの範囲で表され、+1 に近づくほど値動きが連動する傾向が強 く、逆に–1 に近づくほど逆の値動きをする傾向が強いことを示します。全く違う値動きの 場合は、ゼロに近づきます。 それぞれの資産の相関係数については「資産」「相関係数」などと入力して検索してもらえ ればいくらでもでてきますが、これらをうまく組み合わせてポートフォリオを作成するの は実は結構な手間になります。
そこで、目的とする金額を得るためにどれだけのリターンが必要でそのリターンを期待するためにどのような組み合わせがよいのか一発で教えてくれる便利なサイトがあります。
モーニングスターHP
https://www.morningstar.co.jp/FundBeginner/portfolio_return1.html
で毎月積み 立てる金額と期間、目標額を入力することによりそれに沿った資産の組み合わせを提案し てくれます。是非参考にしてみてください。