投資信託の分配金って何?(その2)
分配金について知ろう~その2~
前回、分配金が多いファンドは必ずしも良いファンドとは限らない。ということを書きました。また、分配金は受益者に代わって運用会社が勝手に一部解約しているに過ぎないから虫を必要な金額を自分で一部解約した方が合理的という話もしました。
今回は、分配金の仕組みについてもう少し詳しく見ていきたいと思います。
同じ金額の分配金でもトータルリターンは違ってくる。
分配金の支払い原資は
- 配当等収益(ファンドが保有する債券の利息や株式、REITの配当金等(インカムゲイン)から信託報酬等の費用を差し引いたもの)
- 有価証券売買等損益(ファンドが保有する債券等の売買損益及び為替の変動に伴う評価損益から(キャピタルゲイン)から信託報酬等の費用を差し引いたもの)
- 収益調整金(ファンドの追加設定に伴い既存の受益者の分配原資が希薄化しないための調整金→次で説明)
- 分配準備積立金(①②のうち決算時に分配金を払った後の残額を積み立てたもの)
の合計額となります。
【収益調整金について】
ここで、収益調整金って何?って思いますよね。以下に簡単に説明します。
まず、収益調整金とは追加設定により既存受益者の分配対象額が希薄化しないようにするために設けられた勘定です。具体的には
【解説】
Aさんは5月1日の時点で500円の運用益が出ていたのでこのまま何もなければAさんに対して分配原資500円の中から分配金が支払われることとなります。ところが5月1日にBさんも10,500円で投資信託を購入したため、何もしなければ運用益500円をBさんと分けることとなります。Aさんは何もしないのに分配原資をBさんと折半しなくてはならなくなってしまいます。(分配原資の希薄化)
これを防止するため、Bさんの納入した投資信託のうち500円を収益調整金として計上することによりAさんの運用益500円、Bさんの収益調整金500円の合計1000円(1人当たり500円)から分配金を支払うことができることとしています。これによりAさんの分配原資を維持することができます。
分配金と基準価額の関係
以下の3っつのケースを比較してみましょう!
ケース1~ケース3では、どれも分配金は100円でしたが、分配落ち後の基準価額が違うことがわかると思います。
は、パターン1は100円、パターン2は50円、パターン3は▲100円となり、分配金は100円でも損益状況は異なる結果となります。つまり、分配金の多寡はファンドの収益を示すものではないということです。