投資信託を購入しない理由について考えてみる

毎年投資信託協会が実施しているアンケートによると、投資信託を購入しない理由(複数回答)の回答結果は以下のとおりです。「興味がない」「仕組みがわからない」は、是非このBlogで知識を得ていただきたいと思いますが、①「損をしそうで怖い」「元本保証がない」、②「まとまった資金がない」、③「手数料など費用が高い」については次のように考えてみてはどうでしょう。

投資信託協会 「投資信託に関するアンケート調査報告書(2018年)」
https://www.toushin.or.jp/statistics/report/research2018/

 

 

①「損をしそうで怖い」「元本保証がない」

確かに投資信託で運用する場合、マーケット環境によっては元本割れの状態になることがあります。というか、購入時手数料がかかるファンドの場合は、手数料を差し引かれた残りの金額で投資を行うので確実に最初の段階では元本割れを起こしています。

元本割れを起こすことを嫌う人は“増えなくてもよいから減らないでほしい”と考えている人でしょう。しかしこれもちょっと考えてみてください。

元本保証のある預金にしておけば本当に減ることはないのでしょうか?

「元本保証なのでそりゃ減らないでしょ?」と思ったあなた!次のグラフを見てください。

 

※名目金利は10年国債利回り(年平均)を使用

 

実質金利(赤い折れ線ブラフ)に注目していただきたいのですが、まず、実質金利とは

で求められます。

名目金利とは、私たちが普段使っている金利、つまり、預金金利とか貸付金利とか国債の利回りなんかは名目金利の話ということになります。

一方で物価の上昇や下落もあり、モノをお金で買う以上はこの名目金利と物価上昇率両方を見ていく必要があります。

例えば、今手元に200万円あり、同時に200万円する車があるとすれば、今は購入することができます。この時預金金利(名目金利)が1%、物価上昇率が2%だと仮定すると、1年後には預金は202万円ですが、車は204万円になっており、1年後には車を購入することができません。

お金は200万円から202万円に増えており、決して減ってはいません。しかし、今買えたものが1年後には買えなくなっているということもあり得るのです。上記の「元本保証なのでそりゃ減らないでしょ?」と言っていた人の「減らない」というのは実はお金の表面上のことしか見ていなかったことになります。

事実、グラフにある通り、足元の実質金利はマイナスとなっており、名目金利より物価上昇率のほうが上回っている状況にあります。つまり、今は預金だけしていたらお金の価値はどんどん減少している状況にあるということです。

なので、必然的にお金の価値を守るためには資産運用を考えていかなくてはならない状況にあるということです。

 

②「まとまった資金がない」

我が国はこれまで年功序列型賃金で勤続年数が長くなるにつれ給与も高くなっていくというのがほとんどの方の給与パターンだと思いますが、資産運用の世界から見てみるとちょっと様子が違います。なぜなら資産運用の世界ではお金が増える方程式として

となるからです。

つまり資産運用の世界では投資元本だけで将来の資産額が決まるわけではなく、運用期間という要素も非常に重要になってくるわけです。

60歳代の人に運用期間40年を想定する人はまずいないと思います。しかし、20歳代、30歳代の方は例えば40年という非常に長期の運用期間を想定することは可能です。この運用期間は元金とは違い、どんなに努力しても増やすことはできないのです。(人は一定の定めのもとに死んでしまうので。)

そう考えると若い人は資産運用において決定的に有利な“長期の運用期間”という絶大な価値を有しているとみることもできるのではないでしょうか。

では、運用期間がそれほど長くない人は利回りを高くすればよいのではないかと考えるのかもしれません。

一般的には高い利回りを期待する場合、同時に高いリスクをとる必要があります。資産運用においてリスクとは危険という意味ではなく、価格の“ブレ”を言います。つまり価格変動の大きな資産に投資する必要があるということになりますが、高齢になればなるほどリスクを低減させ安定的な運用の仕方をしていくのが基本とされています。なぜなら人生の後半になって大きく損失をが出た場合、その後、資産の成長により損失を挽回することが難しくなるからです。(長期投資の有効性については「長期投資は本当に有効か」を参照してください。)時間の経過とともにリスクを自動的に調整するターゲットデートファンド(またはターゲットイヤーファンド)も時間の経過とともに債券の割合を増やして徐々に安定的に運用していく仕組みとなっています。

 

つまり、人生の後半になればなるほど、高い利回りを期待する運用はしにくくなるということです。

そう考えれば「若い」ということは資産運用におい圧倒的にアドバンテージがあると考えてよいと思います。まずは1万円もで2万円でもよいので始めてみることが重要だと思います。

 

③「手数料など費用が高い」

預金は確かに手数料がかかりません。そしてわずかながら金利が支払われます。では、その金利はどこから支払われているのでしょうか?

銀行は皆さんから預金という形でお金を預かり、そのお金で企業等に貸し付けをしたり、マーケットで株式や債券等で運用して、その利益の中から皆さんの預金の金利を払っています。つまり皆さんのお金を運用して1%の利益を得たとすればそのうち0.5%を預金金利として皆さんに支払っているということです。ん?ここで気が付いた方はさすがです。要はピンハネしているんですね。

 

投資信託という器を使えば銀行を通さなくても、直接的に株式や債券で資金運用ができるわけです。要は手数料として取られるか、ピンハネされるかの違いです。ただし、投資信託で運用する場合も手数料(コスト)についてはファンドによって違ってくるため慎重に検討する必要があります。

 

 

 

 

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