人はお金の前では合理的な投資活動がなかなかできない!?
皆さんは日常生活で常に合理的な行動をとっていると自信をもって言えますか?例えばスーパーで安売りをしていたら特に買う予定もなかったのについつい買ってしまったり、財布の中には到底溜まることがないと思われるポイントカードでいっぱいだったりしないですか?
こういったことは誰にでも起こりうることなのです。資産運用の世界でもこういった非合理的な行動を思わずとりがちになってしまうことがしばしばあります。例えば、損切りルールを決めていてもなかなか損切りできない。今、解約してしまってこの後値上がりしてしまったら後悔するのではないか。(後悔回避バイアス)なんかもその一例です。
次の例を見てください。
A B C
今扉が3つ並んでおり、このうち一つだけ外に出られる扉があるとします。どれでも構わなにのであなたが外に出られると思う扉を1つ選んでください。
いいですか?
次にあなたが選んだ扉以外の2つの中から絶対外に出られない扉を1つだけあなたに教えます。
そして「もう一度あなたに選ぶ権利を与えますので「先に選んだ扉から別の扉に変えますか?」と聞きますのであなたは別の扉に変えますか?
まず先に答えを検証しましょう
外に出られる扉のパターンは以下の通り
仮にあなたがAを選択したとしましょう。私は外に出られない扉をあなたに教えなくてはならないので、BかCを教えることになります。仮にBを教えたとしましょう。あなたが選択を変えずにAを選べば正解。選択を変えた場合Cを選ぶことになるので不正解ということになります。これをパターンごとに整理すると以下の通りとなります。
上の結果で見る通り、すべてのパターンにおいて当初選択した扉から変えた方が結果的に外に出られる扉にたどり着く確率が高くなることになります。
しかし、だれしも自分の選択を変えて結果的に失敗することを嫌がる(後悔回避バイアス)力が働くので、なかなか当初の決定を覆して違う決定を行うことは難しいものです。
これを回避するための一つのヒント
それでは、このバイアスから解放されるためにどのような工夫があるのでしょうか?1つは自分の意志とは異なるところで行動を決定する手段を設けることが考えられます。まぁ、サイコロを振って決めるなんて言うものも、この考えに近いかもしれませんが、そこはできるだけ過去のデータに裏付けされた合理的な法則により決定したいものです。
一つの例として自動積立による時間分散投資なんかもジレンマから抜け出す方法の1つだといえます。どうしても少しでも安いところで買いたいと思うものですが、相場ばかり気にしていて、ついつい買いそびれてしまうことがよくあると思います。自動積立のように決まった時期に決まった量を買うという他律的なシステムにより自分の意思とは関係なく購入することが可能となります。
なお、自動積立によるドルコスト平均法による効果については投資方針の中で解説しているのでそちらを参考にしてください。
自動積立の効果についてはこちら
日常の自分の非合理的な行動を顧みながら投資はできるだけ冷静に行う方法を考えていくのも上手な投資のコツなのかもしれません。
“人はお金の前では合理的な投資活動がなかなかできない!?” に対して1件のコメントがあります。