こんな環境だから考えてみよう「運用スタイル」について
何に投資すればよいのか
投資信託協会発表の投資信託の数については、直近で6,000以上ものファンド数を数えますが、種類ごとに見ていくと実に様々な商品があります。単一の国に投資するものから、テーマ別に関連企業の株式に投資するものそして複数の資産に投資するものと一口に投資信託といってもその中身は全く異なってきます。
現在、世界的に新型肺炎の広がりによりマーケットにも非常に大きな影響が出ていますが、ファンドの性格(投資先)によって受ける影響が全く異なってきます。これはインデックスレベルで見ても同様で、各年別のリターンを見てみてもその結果は投資先のアセットクラスによって全く異なってきます。
モーニングスターHPより
見てわかる通り、年によってはマイナスリターンの物からプラスリターンのものまであり、これを見てもやはり何に投資するかが非常に重要になってきます。
投資で心得るべき基本スタンス
私が常に思っていることは、「マーケットのことは予測できないし、ほとんど外れる」ということです。したがってマーケットを予測することは無駄であると考えています。
これは過去の経験則からも「買えば下がり」「売れば上がる」ということが多々あり、マーケットは自分の思い描くようには動いてくれないものだと思っています。
ある特定のテーマ型ファンドに投資した場合、そのテーマに与える外部的な要因の影響を強く受けることになります。例えばチャイナショックの時は、中国と貿易量が非常に多いオーストラリアへの影響が思いのほか大きく、これにあたふたした投資家も多かったと記憶しています。つまり、この外部的な要因の影響を予測することはほぼ不可能といってよいでしょう。
では、そんな時どのような運用スタイルがあるのか。一つの答えに「全部買う」というものがあります。昔youtubeに出店のくじを全部買うというものがありましたが、全部買えば少なくともあたりを引くことができるわけです。(youtubeあたりはなかったようですが)全部買うとはいかなくても多くの資産に投資するということは、現実な資産運用を考える上では非常に重要になことだといえます。資産運用で必要なことは「勝つことよりも負けないこと」なのです。これは、10%損失を出してその後、10%利益を出しても元に戻らないことでもわかると思います。(10%の損失⇒10,000円×(1-10%)=9,000円、10%の利益⇒9,000×(1+10%)=9,900で10,000にはならない)
そう考えると、複数の資産に投資するファンド(バランスファンド)は大勝もしませんが大負けもしないファンドということもできます。
バランスファンドの運用スタイル
特定の国やテーマに投資するファンドであれば、わからないながらある程度マーケットの動きを見て投資することもあると思いますが、バランスファンドの運用では当初のポートフォリオの設定が非常に重要になってきます。
基本的に当初決定したポートフォリオをマーケットの動きに合わせてリバランスするわけですから、自分のリスク水準にあったポートフォリオを組むことが重要になってきます。中には配分割合を一定に保つようにリバランスするもののほか、ポートフォリオ全体のリスクを一定にするために組み入れる資産の割合をファンド側で見直してくれるものやキャッシュポジション割合の調整によりリスク水準を一定に保つものなど商品によってさまざまあるので自分が理解できる範囲で自分にあったファンドを選ぶことが重要です。
注意しなくてはならないのはファンド側で調整してくれるものは調整にかかるコストがかかるので信託報酬が相対的に高い傾向にあるのでコストも含めた検討も忘れずに。