リタイア後の生活どうする?
先日、毎日新聞に「50代クライシス」五つの理由と題して興味深い記事が載っていました。要約すると次の通りです。
リタイア間近の50代の資金不足が浮き彫りになっている。その理由として5つ考えられるが、具体的には
- 所得の「三重苦」(賃金カーブのフラット化、収入の減少、税金+社会保険料の割会の上昇)
- 教育資金の重圧(国立、私立共に授業料の値上げ)
- 住宅ローンの長期化
- 退職金の減少
- 貯蓄を増やす手段の減少
としています。
確かにこれらは統計的に裏付けされており、このような外部環境を見てみても、リスクをとって資産運用を行うか、リスクを取らずに将来の収入に見合った生活をすることを決め込むかのどちらかしか選択肢がない状況ですね。
勿論どちらも“あり”だと思います。
みなさんはどちらを選択しますか?
どちらも不確定要素はあると思います。リスクをとって資産運用をしたとしても必ず金融資産が増えるとは限らない。。。
勿論その通りです。ただ、このことについては、これまで“事実”としてのデータから長期に分散して投資することにより、高い確度で資産を増やすことができるということがこれまでのコラムからもお分かりいただけるのではないかと思います。
ただし、これは“絶対”ではありません。例えばコロナでマーケットが落ち込んでいる今、どうしてもお金が必要なので金融資産を取り崩さなくてはいけない!となった場合、この低迷した中で資産を取り崩すことは、ほとんどの人が含み損を確定する行為になるので結局は“損をした”という結果になりかねません。
しかし、これについてもあらかじめキャッシュ割合をどれだけ保有する必要があるか計画的に管理すれば済むことです。
そう、資産運用とは単にお金を投資して、長期運用だからと言って放っておけばよいというものではないのです。自分の保有資産を常に管理し、将来のライフイベントに合わせて常にポートフォリオを見直して行く必要があります。
一方、将来の年金等の収入に合わせた倹約生活を送ることを決め込んだ場合はどうでしょうか。
まず、自分が将来どれくらいの金額の年金をもらええるか把握していますか?毎年、誕生月にねんきん定期便が届くと思いますが、どれくらいの方が目を通しているのでしょうか?
仮に大まかでも自分の年金額を把握していたとしても、これも“絶対”ではないのです。
また、支出側についても同様です。今の制度はそのまま継続するとは限りません。税制は毎年見直しがなされます。
こういった、不確定要素が多い中で年金収入だけに頼って生活することを決め込むこと自体がすでに大きなリスクを抱え込んでいるとみてよいのではないでしょうか。しかもこのリスクは自分では一切コントロールすることができません。
リタイアメント後のリスクの取り方について、リタイアする前から考えておく必要があるのではないでしょうか。