ファンド併合の持つ意味って?

皆さんこんにちは。

実は昨年からちょっと気になっていた記事があるので、本日はそのことについて書いてみたいと思います。

 

2019年11月29日に野村アセットがファンドの併合を行うことを発表しました。(https://www.nomura-am.co.jp/corporate/press/pdf/20191129_3842ED17.pdf

 

これは、わが国初の取り組みであり、個人的に興味を持って見ていました。

 

 

○ 日本は投資信託が多すぎる!?

 

わが国の投資信託の数は投資信託協会が公表しているデータによると実に6000を超えるとされています。

足もとは減少傾向にありますが、長期的にみてずっと増え続けてきたわけです。これは、資産残高が少額の投資信託が乱立していることを意味します。

 

 

これは様々な原因があると思いますが、最も大きな原因の一つが銀行の投信窓販の開始(1998年12月)だといえます。

 

投資信託の窓口販売を開始した銀行は、商品のオリジナリティを際立たせるために、既存のファンドの名前の修正や、ほんの一部を修正しただけで実際の投資方針は一緒の専用ファンドの導入が相次ぎました。(そういう意味では投資信託の世界では一物二価が普通に存在します)

 

こういった要因もあり、ファンドの数はどんどんうなぎ上りに増えていきました。

 

○ 少額のファンドが乱立する問題

 

上記のような理由から残高が少ないファンドが次々に乱立する結果となりました。

 

 

少額のファンドのデメリットとしては、まずは運用の非効率性があると思います。

少額であろうが多額であろうが運用を行うためには運用会社は一定の人を配置し、そのほか、ファンドによっては調査分析にかかる要因や各種レポートを作成するためのリソースを割かなくてはなりません。

 

これらの中には固定的にかかる費用もあり、ファンドの規模が小さくなるほど非効率性が高まる結果となります。

 

そして、残高が少ないことにより繰り上げ償還リスクが高まるといった点も挙げられます。

目論見書には必ず繰り上げ償還事項が書かれてあり、その中には一定の口数を下回った場合、繰り上げ償還する旨書かれています。(実際には繰り上げ償還事項に書かれてある口数を下回ったからすぐに償還されるとは限らないのが一般的です。)

 

繰り上げ償還されてしまった場合、長期投資どころかっ当初の投資目的すら達成することができなくなってしまうので一定の残高を有する投資信託を選ぶことは非常に重要だといえます。

 

○ ファンド併合にかかるこれまでの動き

 

ファンドが多く乱立する状況はこれまでも業界内では問題意識としてはありました。しかしながら、ファンド併合の手続きは非常に複雑で、現実的にはどちらかのファンドを繰り上げ償還して、もう一方に寄せるといった受益者には決して有利とはならない方法しか取れなかったのが現実でした。

 

その後、2012年から金融庁において「投資信託・投資法人法制の見直しに関するワーキング・グループ」が設置され、増えすぎたファンドを減らすべきとの観点からファンド併合の簡素化が図られました。

 

 

○ 今後、ファンド併合の動きは加速するのか

 

今回の野村アセットマネジメントの案件は第1号であり、今後これに追随するものが出るかどうかはまだはっきりとしません。

 

しかし、ファンドの乱立が投資信託の非効率化に影響していることは明らかですし、少なくともターゲットイヤー型ファンド(ターゲットデートとも呼ばれる)は、安定運用に入った以後は全く同じファンドが並ぶことになるため、最初からファンド併合を前提とした投資信託約款が出てきてもよいのではないでしょうか

 

海外では確定拠出年金のデフォルトファンドとしてターゲットイヤー型のファンドが指定されているのが一般的で、このような取り組みが個人の資産形成にじわじわと効いてくるのではないかと期待しているところです。

 

 

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です