ニュースの裏側を読め!

皆さんこんにちは。

先日、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の2019年度の運用実績についてのニュースが流れました。各報道機関からのニュースは次の通りです。

 

<共同通信>

https://news.yahoo.co.jp/articles/f3b2fbeb8e061ff320b5e4f2082b526546adfdea

 

<毎日新聞>

https://news.yahoo.co.jp/articles/bc528bd8b0f86753abbe3cf53b4e5f68539dac5f

 

<朝日新聞>

https://news.yahoo.co.jp/articles/3e72459f190ca7879f72d3ec313095e7e98f2015

 

この3つのニュースを読んでみてどのような印象を持ちましたか?今回は珍しく朝日新聞がまぁニュートラルな報道をしていたのではないかと思います。

 

 

 

〇 資産運用は一部分をとってみてもあまり意味がない

 

どの報道期間も2019年の運用成績について書かれていますが、GPIFの報道発表資料には2001年からの累積の収益についても記載されています。(資料の9P)

GPIFの報道発表資料はこちら https://www.gpif.go.jp/operation/annual_report_2019_q4__jp.pdf

 

これを見る限りでは相当詳細に運用状況が説明されており、その中で2019年度の運用成績だけ切り取って報道するのは少し的外れなような気がします。

 

 

特に資産運用の世界では、単年度の成績よりもそれまでのリターンがどれくらい得られているか、運用効率はどうか(シャープレシオ)、リスクを過剰にとりすぎていないかについてチェックしていくことが重要であり、それをわかりやすく解説していくのが報道機関の責務なのではないでしょうか。

 

 

〇 もう一つの問題提起

本件について、7月5日(日)のサンデーモーニングで、寺島実郎氏のコメントを興味深く聞きました。内容は、「GPIFは国内株式の組み入れ割合をそれまでよりも高め、25%まで組入れられるように変え、日銀のETF購入と併せて公的な資金で意図的に株価を上げてきた。これがアベノミクスの本質」ということだったかと思います。

 

 

公的資金で株価を意図して引き上げたかどうかは議論の分かれるところでしょうし、個人的には全く的外れな見解だと思いますが、一方で、将来の年金の財源となる資金について、このポートフォリオのリスク水準は適切なのかという議論があるように思います。

(2019年度 業務概況書より抜粋)

 

上のグラフは現在のGPIFの期末の各資産の構成割合と基本ポートフォリオ(内側)ですが、国内株式を25%、外国株式を15%組入れることを基本としています。(ちなみに2020年4月以降の基本ポートフォリオは各資産25%ずつになっています。)

 

将来の年金にかかる原資なので皆さんにも直結する問題です。皆さんが将来のための資産運用として株式を都合40%組入れるポートフォリオはどう思いますか?

 

「この組み入れ割合は高すぎるよ」という人もいれば「もっと組入れるべき」という意見の人もいると思います。

 

議論するべきは単年度でいくら損をしたとかいくら儲かったということではなく、リスク水準が適正であるかということのように思います。そのためにも国民一人一人が年金原資を我が資産として、組み入れ割合が適正かどうか判断することが大切だと思います。

その結果、株式を組み入れすぎだと考える人は自己運用のポートフォリオは株式を控えめにすれば良いし、逆に少ないと考える人は多めに入れておくという判断もあるかもしれません。

 

また、日本の年金制度は積立方式ではなく賦課方式です。つまりその時の現役世代の保険料でその時に年金受給者の年金を賄うのが基本となる仕組みです。

 

よく現役世代の人が自分たちの払った分を年金としてもらうことができないと嘆く意見を聞きますが、これは年金を受給する人の数に対して年金原資を拠出する世代の人が減り続けることから起きてくることで、GPIFが運用する積立金の総額(約169兆円)は厚生年金、国民年金として支給される年金額の約3年分にしか過ぎません。したがって、年金の運用の成果が与える受給額の影響は極めて限定的です。これは運用がうまくいっているときも同じことが言えます。

こういった背景も覚えておくとよいでしょう。

 

 

 

ちなみにGPIFは目標リターンを1.7%として、これを実現するために最もリスク水準が低くなる組み合わせとして上記のポートフォリオを設定しています。

 

 

余談ですが報道機関の信憑性について書いておきたいと思います。今回は朝日新聞はまぁ少しまともな記事を書いていますが、基本的には信用してはいけません。その例を以下に一つ上げておきます。

 

習主席の訪日「中止要請」めぐり紛糾 自民党の合同会議

https://news.yahoo.co.jp/articles/3f1b84af56abe55f4db5c2635e75d9c88e88197a

上は朝日新聞の記事ですが、この自民党外交部会に出席していた”髭の隊長”こと佐藤正久氏のTwitterによると「自民党外交部会終了。2時間の議論。習近平国家主席の国賓訪問中止要請の決議について、一部から文言修正等の意見は出たが、大方は中止要請は必要との意見。最終的には部会長一任になりました。 今後は、岸田政調会長のところで議論されます。」と記載されており、”紛糾”したという事実は一切書かれていません。所詮朝日新聞とはこの程度の新聞なので、マスコミの情報は鵜呑みにしないことが大事です。真実は一次情報にあると心得ることだと思います。

 

 

 

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