投資で勝つにはまず負け方を学ぼう
投資を経験したことのある人なら必ず含み損を経験したことがあると思います。含み損とは、購入した時の価格より現在の時価が下回っている状態のことを言います。
そもそも購入時手数料がかかる投資信託は、手数料分を差し引かれた残額で購入することとなるので必ず含み損を抱えた状態からスタートすることとなります。
みなさんは含み損が大きくなったときどのように対応しますか?
〇 含み損を抱えた場合の対応方法
一般的に含み損を抱えた場合の対応方法としては3通りの方法があります。
(方法その1) そのまま持ち続ける
近い将来値上がりすることを願い、そのまま持ち続ける方法です。しかし、これは将来必ず値上がりするとは限りませんし、そもそも近い将来値上がりするかどうかなんて誰もわかりません。
(方法その2) 値下がりした段階で更に追加購入
例えば、1万円の投資信託が5000円に値下がりした場合、更に追加購入すれば平均購入単価は7500円となり、値上がり後の回復を早めることが可能となります。いわゆる“ナンピン買い”と言われる方法です。
しかし、これも方法その1のとおり、どの時点で7500円まで回復するのかは誰にもわかりませんし、下手をすると更に含み損額を大きくしかねません。また、この方法は追加購入するための資金を必要とし、ある程度の資金力が必要となります。
(方法その3) 解約する。
含み損を抱えたことを機に解約してしまうというものです。解約するということはキャッシュアウトしてしまうのでその時点で損失を確定するという行為でもあります。損失が確定するということは、利益を得るどころか運用損が発生するということですが、同時にこれ以上損失が大きくなることもありません。
さて、あなたならどの方法を選びますか?
ここで、注意してもらいたいのは、方法その1、方法その2は依然投資し続けている状態にあり、資金は運用資産に張り付いたままになっているのに対して、方法その3は減少したとはいえ手元に現金が残り新たな投資を行うことが可能であるということです。
〇 投資において常に手元資金を持っているということは非常に大切
方法その3では解約することによって現金化することとなりますが、投資において一定の資金を保有し続けることは非常に大切なことです。投資を行っていると、値下がりしてもそのまま保有し続け結果的に「塩漬け」状態になってしまうということはよくあることです。
こうなってしまうと、マーケットがどのように変化しようとも資金を寝かせておくことしかできず結果的に機会損失を招いてしまうことになりかねません。投資において資金効率は非常に大切なことなのです。
〇 結局損切りラインをどこに定めるか
結局は損切りするラインをどこに定めるかが非常に重要となります。投資信託のリスク水準にもよりますが、初めて投資を行う人はおおむね10%程度がよいのではないかと思います。この水準で損切りできれば、たとえ10%含み損を抱えて損切りしたとしても、その後の運用でいくらでも挽回することが可能な水準だからです。
ただし、今後、機会をみてご紹介していきたいと思いますが、私の場合、ほとんど自動積立により購入しているので実際は含み損を抱えていても方法その2にある難平買いの形で購入しています。むしろキャッシュポジションを常に持っておく方に重点を置いています。
〇 最後に~マネーの虎の社長たちはなぜ多くの人が破産したのか~
昔、日本テレビ系のテレビ番組で「マネーの虎」という番組がありました。若い人はあまり知らないかもしれませんが結構な人気番組となり、私もテレビにかじりついてみた記憶があります。
1代で財を築いた社長数人に、ビジネスプランを提案し、賛同した社長はその発案者に出資するという番組ですが、そこは業界の荒波を乗り越えてきた社長たちです。隙のあるビジネスプランはケチョンケチョンにたたかれます。
その社長さんたち、中には破綻して壮絶な人生を送っている方も少なくないようです。一見「勝ち組」に見える彼らはなぜ破綻ししてしまったのでしょうか?ビジネスも投資も負け方を知ることがとても重要なようです。