リスクを低減する方法
みなさんこんにちは。今回は、安定的に資産運用するためにリスクを低減するためのさまざまな方法についてお話ししたいと思います。
〇 リスク低減策① 分散投資
これはもっとも基本的な方法ですが、値動きの異なるさまざまな資産に分散投資して、ポートフォリオ全体のリスクを低減する方法です。リスク低減の方法としてはもっともシンプルで、インデックスファンドを組み合わせることにより結果的に低コストで実現することが可能です。
ただし、例えばリーマンショック時や今回のコロナ時でもそうですが、大きなマーケットインパクト時にはすべての資産が値下がりしてしまい、期待したような分散効果が得られないということもあります。
〇 リスク低減策② ボラティリティコントロール
市場のボラティリティ(価格変動率)が高まってくると、株式等のリスク資産への投資資金を縮小し、ダウンサイドリスクに備えるものです。ただ、この手法は、リーマンショックの時には有効に機能しましたが、コロナショックの時のように2週間で大幅に急落するという動きの時は、リスクウエイトの引下げが間に合わず、市場の下落率並みの下落率になってしまったものもあるようです。また、リスク資産を抑えたため、株価がV字型に急反転した折には、市場のリターンに追随することができない可能性もあります。運用会社側の巧拙が出る傾向があるので、これまでの実績をよく吟味する必要があります。
〇 リスク低減策③ フロア設定型ファンド
一定水準の損失フロアを設定する「ポートフォリオ・インシュアランスアランス」戦略。一定水準以下に下落することを防ぐ一方で、上昇時にもある程度を追随することが可能といわれています。コロナショックでも下落局面で損失を限定しました。ただ、フロア水準を設けるために一定のコストを負担する必要があったり、一旦リスク水準を引き下げてしますと以後のリターンを期待できなくなり、結果的に上昇局面についていけなくなるなどの可能性もあります。実際にアムンディ・ダブルウォッチは基準価額が下限に達したため繰り上げ償還されました。
〇 リスク低減策④ ロングショート戦略
例えば株式の「売り」と「買い」の両方を行い、どちらに値動きしても影響を打ち消す戦略です。具体的には例えば、PER(株価収益率)などが高い割高な銘柄をショート(空売り)し、割安な銘柄をロング(買い持ち)にするロングとショートを活用したマーケットニュートラル戦略などがあります。ただ、コロナショックでは株価が急激に下がって上がったため、ショック時の下支え効果も回復期の収益獲得も限定的だったようです。
〇 まとめ
このほかにも様々な方法が考案されていますが、どれも一長一短があり、どのマーケットで有効に機能するかは正直わからないとこがあると思います。また、これらの戦略の有効性について理解するのは相当至難の業なのではないでしょうか。
私が考えるのは、長期投資を前提にしているのであれば、リーマンショック時も今回のコロナショック時も結局は一定期間を経過するとマーケットは元の水準までも戻っていることから、シンプルな、低コストの分散投資戦略が最も確実な方法なのではないのかと考えています。