あえて言う「年金保険料を払わない奴はバカだ!」

みなさんこんにちは。

今回は年金の話です。皆さんの老後を支える年金。しかし、今の若い人に公的年金の印象を聞くと「どうせ払い損でしょ?」とか「このままではいつか制度が破綻するのではないか」とか否定的な意見をよく耳にします。

 

今回は、公表されているデータから公的年金の現状を見ていきたいと思います。

 

保険料を払っていない人結構多いんでしょ?

年金制度は簡単に言ってしまえば納めた保険料を国が取りまとめて、その時の受給者に配る制度です。これを賦課方式といいます。よく自分が払った保険料を国(正確にはGPIF)が運用して、自分が将来受給対象になったら受け取ることができる制度(積立方式)と勘違いしている人がいますが、そうではありません。あなたが支払った保険料は既に支払われていて無くなっていると思った方がよいです。

そうすると、保険料を支払う人が少なくなると制度が破綻するのではないかという疑念がわいてくると思います。6月29日の日本経済新聞も次の通り報道しています。

 

厚生労働省は29日、自営業者らが入る国民年金の2019年度の保険料納付率が69.3%だったと発表した。前年度から1.1ポイント上昇し、8年連続で改善した。低所得などで保険料を免除・猶予されている人も含めて算出した実質的な納付率は40.7%。満額の年金を受け取れないなど高齢期の貧困が課題となる。

 

いかがでしょうか?「こんなに払っていない人がいるのか!」と驚いた人もいるのではないでしょうか。しかし記事をよく読んでください。この記事はあくまで「自営業者らが入る国民年金の2019年度の保険料納付率」について言っているのであり、国民年金の1号被保険者のみの話です。その対象は1,453万人で、公的年金全体の加入者6,759万人をベースに算出すると未納者の割合は2%以下まで低下します。

以前年金の仕組みで解説した通り、サラリーマンが加入する厚生年金は国民年金とセットになっていて、サラリーマンの場合毎月給与から天引きされるので未納者は基本的にいません。また、厚生年金は制度改正により加入者が増えており、5年前と比較して約400万人も加入者が増えています。

 

少子高齢化なので年金制度は破綻するんでしょ?

 

先ほど、日本の年金制度は積立方式ではなく賦課方式だと説明しました。なので、保険料を支払う現役世代が細ることによって財政破綻するのではないかといった心配もよく聞かれます。

 

よく金融機関が使う資料では、1960年代は65歳以上のお年寄り1人を10人強で支えていたものが現在は2人で1人を支えるようになり、自助努力が必要になってきますといったものを見かけます。これはある意味本当である意味嘘です。 (笑)

 

本当の部分でいえば、65歳以上の人を現役世代(15歳~64歳)が支えるという意味ではそうですが、現実的には65歳以上の人は男性では3割、女性も2割の人が働いています。労働力人口と非労働力人口の比率の推移を見てみると60%台で推移しており、実は大きく変わっていないことが分かります。

 

若い世代は払うだけ損でしょ?

 

以下は首相官邸のHP( https://www.kantei.go.jp/jp/nenkin/qa/gimon/q03.html )からの抜粋です。

 

この表にある通り、前世代において厚生年金(基礎年金を含む)、国民年金とも保険料額を上回る給付額になっています。これはあくまで政府の試算ですが、いずれにしても制度設計として払い損になるようにはなっていないということです。では、なぜそのようなことが可能なのでしょうか?

 

それは、そもそも基礎年金の半分は税金を財源としているからです。また、厚生年金の保険料の半分は雇用主が支払っています。自分の財布以外から補填される制度なのです。どうでしょう?これってかなりお得でしょ。

ということで

 

結論

年金保険料を払わない奴はバカだ!

 

 

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