今一度考えてみよう。毎月分配型投信は本当に悪なのか。
みなさんこんにちは。金蔵です。(最近この名前を使っていなかったので忘れかけていました。)今回は毎月分配型投信について考えてみたいと思います。
私の記憶では今から7年くらい前に毎月分配型投信が爆発的に売れ出し、その後、次々と毎月分配型投信が設定されていった記憶があります。本来、毎月分配金を出すという性格からクーポン収入が見込める債券型ファンドが中心になりますが、ブームの時には株式型のファンドまで毎月分配型の投資信託が売り出されていました。
あまりの過熱ぶりと、その後の金融庁による指導もあり、毎月分配型の問題点が認識されるようになり、毎月分配型投資信託ブームは徐々に下火になっていきました。
毎月分配型投信の主な問題点の指摘としては、毎月分配金を支払うことにより、預かり資産の長期的な成長を妨げる結果となるということや分配金が普通分配金であった場合、その都度税金がかかるため、投資効率を低下させるというものでした。
みなさんの中にも毎月分配金が払われることにより、ちょっとお得な投資信託と“勘違い”し毎月分配型の投資信託を持っていた人もいるかもしれません。実際に当時、盛んに分配金の仕組みについての解説がなされ、分配金はファンドの一部を取り崩して支払っているもので分配金が多いファンドがよいファンドなのではなく、トータルリターンで見ていくことが重要だと言われていました。
しかし、毎月分配型のファンドは本当に悪なのでしょうか?まず、毎月分配のニーズについて考えてみましょう。
毎月分配金が出るということはいくらかの現金が毎月支払われるということです。この部分について必要性を感じる人は一定数いるのではないのでしょうか。例えばリタイアして年金で生活している人は、安定的なキャッシュフローが必要な人たちと考えられ、これに関して毎月分配金を受け取るニーズはありそうです。
一方で現役世代の人たちは、一般的に毎月給料が入ってくるため、これで生活をまかなえているとしたら毎月分配金を受け取る必要はありません。受け取った分配金を再投資する投資する運用方法は単に税金分だけ資産を減らす行為だとも言えます。
こうして考えていくと毎月分配金を受け取るニーズは主にリタイアして年金などで生活している人にとっては少なくともあっても邪魔にならないサービスと言えると思います。
ただし、分配金の仕組みについてよく理解しておく必要があります。分配金については「投資信託の分配金って何?(その1)」「投資信託の分配金って何?(その2)」で詳しく解説しているので参考にしてください。
ポイントとしては、分配金は将来にわたって支払われることを約束するものではないということです。分配金が出なくなることはまれであるにしても、分配金の金額が変わることはよくあることです。
そのように考えていくと、分配金を生活資金の一部としてライフプランを立てることは少し不安があります。分配金とは運用会社があなたに代わってファンドを一部解約するものであるということを理解していれば、何も運用会社に勝手に一部解約してもらう必要はなく、自ら必要な金額だけ一部解約すれば必要な額が安定的にえられるはずです。
そう考えると必要の都度一部解約する手間さえ厭わなければ毎月分配型の投資信託を選ぶ必要はなくできるだけ決算回数の少ない投資信託を選び、自分で一部解約した方が運用にロスが生じないこととなります。今ではどの金融機関もインターネットでの取引が可能なので一部解約の手間も相当軽減されています。